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 T−4 生化学実験に用いる単位と量

 1:SI基本単位

 SI基本単位(メートル法単位系に基づく国際単位系SI)を表1.1に示す。
          参考:SI=Le Systeme International d'Unites


 2:SI誘導単位

 生化学によく用いられるSI誘導単位。
 ※さらに、これらの基本単位を適当に組み合せて得られる多くのSI誘導単位がある。これらのうち、生化学によく用いられるものを表1.2に示す。




 3:SI接頭語
 単位が大きすぎたり小さすぎたりする場合、ゼロをたくさん書くことを避けるため、その単位の記号の前に接頭語をつける。基本的には単位が1000倍または1/1000倍になるごとに接頭語を変える。
 ※0.000015 molは15μmol と書き、13400 m は13.4kmと書く。

  接頭語と単位の記号の間にはすき間も、点や終止符も入れない。
 誘導単位の記号の間には空間をおき、さらに、はっきりさせるために、文字の中ほどに点を打つことがしばしばある。
 例:ms=millisecond(ミリ秒)=10−3s
   m・s=metre × second(メートル×秒)= m × s


 4:SI単位と並行して用いられる単位

 @リットル(l):体積に対するSI単位はm であるがリットル(l)も用いられている。
 リットルは1立方デシメートル(1デシメートル=10−1m =dm)に等しい。
  1000リットル     = 1立方メートル = m
  1リットル(l)     = 1dm      = 10−3m
  1ミリリットル(l)   = 1cm      = 10−6m
  1マイクロリットル(μl)= 1mm      = 10−9m

 A時間:秒に対して分、時間、年のような馴染み深い時間の単位は用いられる。

 Bグラム(g ):質量の基本単位キログラムに対して新しい名称が採用されるまでは、素単位として、さらにμg、mg等の接頭語と結合して用いられている。



 5:SI接頭語の変換
     <変換法>




 6:数に関する接頭語

 

 付:モル(グラム分子)、モル濃度
 SI基本単位のうちモルは、これまでの日常生活では使いませんが、化学系の実験の世界ではすぐに使います。このため、特にモルの第一回目の説明をします。
 今後モルが出てくるときはいきなり実戦的な話になりますから、モルとは何かのだいたいをここで覚えてください。

 @モル(mole,mol):
  体積に関係なく、例えばフラスコや試験管の中に存在するある物質の量を表わす。
  分子量にグラムをつけた質量だけの量として定義される。

 化学大事典では、「物質の分子量に等しいグラム数の物質の量を1モルという」と表現している。すなわち、モルを考えるときは必ず分子量に結びつけなければならない(実用上非常に重要)。

 1モル = 6×1023分子(Avogadro数) = 分子量にグラムをつけた質量だけの量
    アボガドロ数:1モル(1グラム分子)の純物質中に存在する分子の数。

  ※モル、mole,molとは、物質の量を表わす。
     例えばビール瓶1ダースは、ビール瓶が12本のこと。
     同様に、1モルとは、分子の数が6×1023個のこと。

 ※「1モルの重さ」は分子量にグラムをつけた質量だけの重さのこと。

例;@グルコース(ブドウ糖)の場合、分子量が180であることから、
  グルコース1モルの重さは180gとなる。

  Aタンパク質の一種であるアルブミンの場合、分子量が68000であることから、  アルブミン1モルの重さは68000gすなわち68kgとなる。
※ある分子6×1023個の重さは、その分子の分子量+gである。

 Aモル濃度(mol/l ):
 単位体積の溶液中に存在する物質の量で、物質の濃度を示す。

   1モル濃度溶液は、1g中にその化合物1モル含む溶液である。
           (1モル濃度 = 1gの溶液中に、1モルの化合物が溶けている濃度)

 mol/lは、これまでM(ラージm)という記号で表わしてきたが、SIではmol/lである。

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